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歴史探訪 聖徳太子の十七条憲法

2024年11月7日
役員 | 誰かに話したくなるアレコレ
人財本部の高橋です。
早いものでアサヒロジスティクスに入社して1年半が経ちました。
この間、世の中も大きく変化しましたが、身近なところでいうと20年ぶりに新紙幣が発行されました。
一万円札の肖像は渋沢栄一となりましたが、その前はというと福澤諭吉、そしてその前は聖徳太子になります。いずれも当時の日本の政治経済、文化の発展に対して大きな貢献をした人物です。
渋沢栄一(1840-1931年)
今日の日本経済を支える財閥や大企業の基盤を築くとともに、企業における「道徳経済合一説」を唱え、企業倫理や社会的責任の大切さを説いた
福澤諭吉(1835-1901年)
明治維新後の西洋化や教育普及の重要性を説き、日本が近代国家として成長するために尽力した
聖徳太子(574-622年)
「十七条憲法」や「冠位十二階」の制定により日本政治の礎を築くとともに、和の精神を重んじたリーダーシップで国をまとめた
さて、そんな話を世界史を選択している息子としていたら、聖徳太子というのは本当に実在したのか、いったい何がそんなに凄かったのかという話になり、少し興味が出てきたので調べてみました。
聖徳太子といえば、それまで神様信仰かつ部族社会であった日本を仏教という”高度な外来哲学”によってひとつにまとめようとした人物、というのが教科書的な話ですが、よくよく調べてみると、彼の制定した「十七条憲法」はとてつもなく素晴らしいものであることがわかりました。
本来は官吏など行政に関わる人たちに向けて政治の原理原則を示したものですが、日本におけるマネジメントの心を説いているものとしても非常に参考になるものです。
今から1400年以上も前に制定されたものですが、それゆえに日本人の変わらぬ精神的美徳の原点が感じられます。

wikipediaにあった十七条憲法の現代語訳を、日本⇒会社、人民⇒社員、為政者⇒マネジメント・上司、という形でビジネス文脈に置き換えてみると、今の時代においても何一つ違和感なく通じるものがありました。

1.和をもって貴しとする
2.コンプライアンス重視で社内は治まるからルールを周知徹底せよ
3.経営理念が社員をひとつにする根本である
4.上司も部下もお互いに礼節を守る
5.マネジメント層は現場の声をしっかり聞かなければならない
6.不正やコンプライアンス違反はルールに則って是正する
7.職責は明確に定義する
8.上司は部下の模範となるような仕事ぶりをせよ
9.上司は何事にも誠実たること
10.部下が思うように動かないときは叱責ではなく理解をすることが肝要
11.部下の功績を公正に評価すること
12.私利私欲で仕事をしてはいけない
13.マネジメント層はお互いの職責を知って相互に補完できるようにする
14.ライバルの実力や功績を嫉妬してはならない
15.目的達成のために心をひとつにせよ
16.生産性をあげていくには部下の業務管理が非常に大事である
17.重大事項は独断ではなく議論を尽くして決めること

特に10は、部下指導に悩む方にはぜひ参考にしてほしい内容です。

「他人が自分にさからったからとて激怒せぬようにせよ。 人にはそれぞれ思うところがあり、その心は自分のことを正しいと考える執着がある。他人が正しいと考えることを自分はまちがっていると考え、自分が正しいと考えることを他人はまちがっていると考える。しかし自分がかならずしも聖者なのではなく、また他人がかならずしも愚者なのでもない。両方ともに凡夫にすぎないのである。正しいとか、まちがっているとかいう道理を、どうして定められようか。」
(wikipedia 十七条憲法現代語訳より引用)

いかがでしょうか?

当時の為政者(推古天皇と聖徳太子)はまさに”雲上人”だったにもかかわらず、「自らの考えだけで政治をすすめてはいけない」「自分たちが必ずしも正しいわけではない」「だから皆で意見を出し合って良い世の中にしていこう」と説いたというのはまさに驚きです。

聖徳太子も十七条憲法もフィクションだという説もありますが、その是非は置いておいて、この”和の精神”こそ日本人の原点であり、今も変わらないものだということを肝に銘じて、日々の業務にあたっていきたいと思います。


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